1年のうちに何度かある天体ショー。そのなかでも流星群は毎年同じ時期に見られるので比較的観測しやすい天体ショーのひとつです。
しかしながら、正しい流星群の見方を知らなければ幻想的な流星の雨を見ることはできません。
では、流星群を見るにはどこで、どんな時に、どんな風に見るのが正しいのでしょうか?
今回の記事ではこの疑問にお答えしていきたいと思います。
我が家では毎年流星群を見に行くのが恒例行事のひとつになっていて、今までいろいろな場所、色々な見方を試してきました。
そんな僕がやっている、正しい流星群の見方をご紹介します。
ぜひ流星群の正しい見方を覚えておいて、最高の流星群ウォッチを楽しんでください。
流星群をキレイに見られる場所
流星群は基本的にはどんな場所でも見ることができます。
ただし本当に感動するほど美しい流星群を見るには、やはり場所選びが非常に重要です。
とはいえ、ここで流星群をキレイに見られる場所を具体的に教えることはできません。
なぜならネットで具体的な場所を掲載して思わぬ数の人が集まってしまうと、その近隣の住民の迷惑になってしまう恐れもあるからです。
そのかわり、ここでは流星群を見るのに適した場所を選ぶための基準をご紹介します。
流星群を見るための場所選びのために僕はいくつか明確な基準を作っています。
以下の条件を全て満たす場所であれば、間違いなく美しい流星群を見ることができます。
- 人口100万人以上の都市から直線距離で80km以上離れた場所であること。
- 人口25万人以上の都市から直線距離で20km以上離れた場所であること。
- 電灯の明かりが少ないこと。
- 海に突き出した半島状の地形であること、または標高1500m以上の山の上であること。
- 木や建物などで上方の視界が遮られていないこと。
- 車道からある程度離れていること。
これらの条件には理由があって、おもな理由は光害を避けることにあります。
星というものは、強い光が近くにあるとほとんど見えなくなってしまうからです。
とくに都市が放つ光は強烈で、空が照らされてしまって星などほとんど見えなくなります。
そのため、都市からできるだけ離れた場所を選ぶというのは、流星群をキレイに見るためには非常に重要なのです。
都市の光は星を見る時に本当にやっかいな問題で、とくに東京や大阪といった都市圏人口が1000万人を超えるような大都市の近郊に住んでいると光害から逃れるのは一苦労です。
こういった大都市の近くでは、最低でも100Km以上離れた場所でなければ、満足のいく暗さの場所はほとんどありません。
たとえば僕は大阪在住なのですが、星を見に行くときは紀伊半島の山奥深くまで入っていくか、海岸沿いの非常に暗い場所を選んでいます。
ちなみに、条件として挙げた人口100万人以上の都市というのは全国でも数えるほどで、札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡などがこれに当てはまります。
しかし人口25万人以上の都市はかなりあって、各県の県庁所在地となっている都市はほとんどが人口25万人以上です。
これらの都市からとにかく離れること。これが極めて重要です。
実は、条件として山の上や海に突き出した地形という条件を入れているのも光害を避けるためです。
海に突き出した半島状の地形であれば、周囲には都市がなく、光源のない海が広がっているので天体観測にはうってつけなのです。
ただし、東京湾や大阪湾、伊勢湾など周囲に大都市がある海はこの条件に当てはまらないので注意してください。
ともかく、星を見るためには余計な光を避けることがとても大切です。
とにもかくにも街から離れた場所を選び、上方の視界が開けた場所を選ぶと間違いありません。
上方の視界が開けているかどうかは、Google Mapで衛星写真などを見て判断するのがいいでしょう。
流星群を見るには当日の天候と月にも注意
感動するほど美しい流星群を見るには、場所の条件はもちろんですが、天候の条件もきわめて重要です。
雨や曇りでは星は全く見えないので、当日の天気が雨や曇りなら諦めたほうが無難です。
できれば快晴の日を狙って見に行くのがいいでしょう。
くわえて、月齢と月の入出時刻もかなり重要です。
どれだけ観測に適した場所を見つけたとしても、当日が満月だったら何の意味もありません。
月は夜空を明るく照らしてしまいますので、どれだけ暗い場所だったとしても満月の日は満足に星を見ることはできないのです。
月齢とは別に、月の入りと月の出の時刻もチェックしておいたほうがいいでしょう。
当日が仮に満月だったとしても、昼間に月が出て、夜には月が沈んでいるようなら全く問題はないからです。
つまり、ここまでの話をまとめると当日の天候が快晴で、夜に月が出ていない日が最高の条件というわけですね。
ただ、こればかりは運次第なので自分ではどうすることもできません。けれども毎年チャンスを伺っていればきっと最高の条件の年に当たるはずです。
流星群を見る時はどうすればいい?
流星群に限ったことではないのですが、星をみるときは地面に寝そべって見るのが一番見やすいです。
当たり前ですが、空は真上にあるので仰向けに寝そべって見るのが一番ラクなんですよね。
椅子などに座って見たり、立って見たりするのもいいのですが、常に首を上に向けなくてはいけないので首が痛くなってしまいます。
なので、星を見るときは地面に寝そべるのがベストです。
ただ、やっぱり気をつけてほしいことがあって、きちんと周りの安全を確保するということです。
たとえば車や人が通る場所に寝そべっていたら危険ですよね。そういう場所は避けなければいけません。
ちなみに、流星群はどの方向からでも流れてきますので、基本的にはどこを向いていても大丈夫です。
でもやっぱり一番多いのは、流星群の名前になっている星座の付近です。
たとえばペルセウス座流星群を見るときならペルセウス座の付近、ふたご座流星群を見るときならふたご座の付近ということです。
ちなみに、観測する場所が人口100万人以上の都市から120km未満である場合は方角には注意してください。
基本的には都市とは逆の方角の空を眺めたほうがいいです。
現地で見ればすぐにわかると思いますが、都市の光というのは本当に明るくて数十キロ離れた程度では都市がある方角の空が明るいのです。
当然、そんな状態では星の光もかき消されるので、都市とは逆の方角の空を見るようにしましょう。
流星群を見る際に持っていきたいもの
流星群を見るには、特に必要なものはありません。
ただ、僕の今までの経験上、持っていったほうがいいものはあります。
以下のものを車に積み込んでおけば流星群を快適に見ることができます。
ブルーシート
地面に敷いて汚れを防止するために使います。
マットレス
ブルーシートの上にマットレスを敷くと、寝そべって見るのが超快適になります。
枕をもっていくとさらに快適に流星群を見られるはずです。
星座早見表・コンパス
夜空の星座の形と位置を確認するためには必須のアイテムです。
今はスマホで星図アプリがあるのでそれを使うのもいいでしょう。
ただし、現地で星図アプリを使う場合は必ず観測モードにして画面を赤くしてください。
そのまま使うと、ディスプレイの光が強いので観測の邪魔になってしまいます。
赤色灯
天体観測のときは、できるだけ強い光を出さないようにするのが鉄則です。
しかし、周りは暗いのでどうしても明かりが必要な時があります。
そんなときは赤い光のランプを使うようにします。
天体観測用の赤色灯も売っていますが、僕が使っているのは警備員などが持っている誘導灯です。
誘導灯であれば赤い光ですし、ホームセンターなどで安価に手に入るのでオススメです。
キャンプ用ガスコンロ
流星群を見ていると身体が冷えてくることもあるので、お湯をわかすために持っていくと便利です。
やかん
ガスコンロがあってもやかんがなければお湯をわかせません。
ガスコンロを持って行く場合はやかんも持っていきましょう。
コップ・水
温かい飲み物を飲みたい場合、コップと水は必ず持っていってください。
紅茶・コーヒー・緑茶など
お湯を沸かす装備を持っていけば、流星群を見ながらコーヒーやお茶を飲んで身体を温めることができます。
冬の流星群を見るときに持っていきたいもの
1年のうちで、もっとも多くの流れ星を見ることができるのは双子座流星群です。
しかし、双子座流星群は毎年12月中旬に出現するため、真冬の極寒の空の下で観測しなければなりません。
当然、ダウンジャケットなど防寒は万全にしなければなりませんが、加えて下記のアイテムも持っていくとより快適になります。
敷布団・掛け布団・毛布
ブルーシートの上に布団を敷いて、布団の中に入って流星群を見るのはめちゃくちゃ快適です。
別に寝袋でもいいのですが、寝袋では身動きがとりにくくなって不便ですし、地面からの底冷えをブロックしきれないので布団を敷いて毛布にくるまっていたほう暖かくてが快適に流星群を見ることができました。
手袋
真冬の真夜中というのは、おそろしく寒いです。
まして天体観測に適した場所は海に突き出した地形であったり、山の上だったりするので、それはもう寒いんです。
手袋がなければ、星を指し示したり、布団を敷いたりするのも辛くなるので手袋は持っていったほうがいいですね。
毛糸の帽子
布団にくるまっていても、頭は出しておかなければ流星群を見ることはできません。
そのため、頭だけめちゃくちゃ寒くなってくるんですよね。
なので、毛糸の帽子やロシア帽のように頭に被る防寒用具を持っていくと、より快適に流星群を見ることができます。
まとめ
流星群を見るための条件や正しい見方についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここまでの話をまとめると、以下のような感じです。
- できるだけ都市から離れる
- できるだけ暗い場所を選ぶ
- 当日の天候と月の状態をチェックする
- 快適に見るための装備を持っていく
- 流星群を見るときは地面に仰向けに寝そべって見る
こうしてみると、どれも簡単ですよね。
流星群を観測するのに望遠鏡や赤道儀といった特殊な道具は全く必要ないので、車さえあれば誰でも気軽に見に行くことができます。
運が良ければ「火球」と呼ばれる、とても大きくて明るく輝く流れ星を見ることもできます。
火球は本当に文字通り夜空を横切るようにして流れ、長い光の尾を引いて輝くので、もしその姿を見ることができれば歓声が上がるほど感動します。
最高の条件の日に流星群を見に行って、もし火球にめぐり逢うことができれば、きっと一生のうちでも忘れられないくらいの感動体験になることは間違いありません。
ぜひ良い条件の日を狙って流星群を見に行ってみてください。
それでは、この記事はここまでとなります。
最後までお読みいただいてありがとうございました!