Pythonでできることって何?プログラミングを始める前に知っておこう!

「Pythonでできることってどんなことがあるんだろう?」

「Pythonって一体何ができるプログラミング言語なんだろう?」

結論からいいますと、Pythonは何にでも使えます。
ただし、Pythonだけではできないことも多く、他の言語やシステムと組み合わせることによって非常に多くのことができるようになります。

料理でいえば、下味をととのえるためのダシのような存在。
それでは、Pythonを使ってどんなことができるのか、いくつかご紹介いたしましょう。

ホームページ

Pythonを使ってできることのひとつが、ホームページです。
いまやビジネスをやっていく上で欠かせないものとなったホームページですが、こうしたものもPythonを覚えると制作できるようになります。

ただ、Pythonは基本的にはサーバーサイドで動作する言語であるため、Pythonを覚えるだけではホームページは作れません。
ホームページを作るためには最低でもHTMLとCSSも覚える必要があります。

HTMLはホームページの骨格を作るためのもので、CSSはHTMLで作ったホームページの骨格に色を付けたり、線を引いたりして装飾するためのものです。
これらはPythonに比べて難易度はかなり低いので、習得するのはそれほど難しくはありません。

ブログ・ショッピングサイト

Pythonでできることの二つ目は、ブログやショッピングサイトの製作です。
これは先程例にあげたホームページと似たようなものですが、大きく違う点があります。

それは、データベースを利用しなければならないという点です。
データベースとは、その名のとおりデータを保管しておくシステムのことで、有名なものを挙げると、MySQLなどがあります。

これはブログなら記事やカテゴリ情報、ショッピングサイトなら商品の価格や在庫数などのデータを保管しておくためのシステムなので、まさにブログやショッピングサイトを作る上では必要不可欠となるものです。

このデータベースに、必要に応じてデータを書き込んだり読み込んだりしてブログやショッピングサイトは動いているわけですが、そのためのシステムをPythonで作ることができます。

また、この他にもHTMLとCSSはもちろん、Javascriptという言語も覚える必要がでてきます。
Javascriptはブログやショッピングサイトを見ている人のパソコンやスマホの上で動くプログラミング言語で、サーバーのPythonから送られた情報をパソコンやスマホで見やすくするために必要となります。

チャットシステム

Pythonでできることの中には、リアルタイムで情報をやりとりすることもあります。
PythonにはWebSocketという仕組みを簡単に利用できるフレームワークがあり、これを使うことで簡単にチャットシステムを作ることができます。

フレームワークとは、プログラミング作業を簡略化するための機能がいくつも搭載されているツールのことで、言ってみればよく使う機能の詰め合わせのようなものです。

たとえばWebアプリケーション・フレームワークには、Webサイトを作るときによく使う機能がたくさん盛り込まれており、これを利用することで作業を大幅に効率化できるのです。

PythonではDjangoやBottleといったフレームワークが有名ですが、その他にもたくさんあります。
そのなかにTornadoというフレームワークがあるのですが、このTornadoを使うことでWebSocketを簡単に利用することができます。

WebSoketを使えばリアルタイムに通信させることが可能になるので、チャットシステムも簡単に作れてしまいます。

スマホアプリ

Pythonでできることの一つが、スマホアプリの製作です。
プログラミングをはじめてみたいという人の中には、スマホアプリを作ってみたいという方も多いのではないでしょうか。

世の中にはPythonで作られているアプリはたくさんあって、大人気のインスタグラムや、ファイル共有に欠かせないDropboxといった超有名アプリもPythonを用いて製作されています。

ただ、ここまでこの記事を読んだ方はもうおわかりかもしれませんが、スマホアプリを作るためには、Pythonだけでは不十分です。

iOS用のアプリを作りたいのならSwift、Android用ならJavaやKotlinといったプログラミング言語も習得する必要があります。

また、作りたいアプリにもよりますが、カレンダーアプリやSNSのようなデータを保持する必要があるアプリを製作する場合にはデータベースのスキルも必要になります。

ただ、いずれにせよPythonを覚えておけばスマホアプリの開発にも活用できるので、スマホアプリを作りたい!という方はPythonを覚えておいて損はないでしょう。

IoTデバイス

Pythonを覚えるとできることのひとつに、IoTデバイスの製作もあります。
IoTとは、インターネットとモノを繋ぐシステムのことで、例えばエアコンやテレビをスマホで遠隔操作するといったことができます。

実は、PythonはこのIoTデバイスの製作にも向いているのです。

IoTというと、機器を制御しなければならないわけですが、こうした機器制御はC言語やC++といったプログラミング言語が向いていると思われがちです。

ですが、実はPythonもかなり向いているのです。
その理由は何かといいますと、「Raspberry Pi」という小型コンピュータです。

このRaspberry Piは言ってみればパソコンなのですが、サイズがとにかく小さく、クレジットカードくらいの大きさしかありません。
そのうえ消費電力も少なく、モバイルバッテリー程度の電力で何時間も稼働させることができます。

そして、この小型コンピュータはモーターや電球といった外部機器に接続できるように設計されており、この機能を利用して様々な機器の制御ができるようになります。

ですから、例えば、Raspberry Piとカメラを接続して、そのカメラの映像をスマホで見るということもできます。

もちろん、そのためにはカメラとスマホを繋ぐためのプログラムが必要となるわけですが、それをPythonで作ることができるわけですね。
というのも、このRaspberry Piにインストールされているプログラミング言語がまさにPythonだからです。

ですので、Pythonを覚えると、アイデア次第で面白いものが作れるIoTの世界が、あなたにとってとても身近なものになるでしょう。

業務効率化ツール

Pythonを使ってできることのひとつに、業務効率化ツールの製作ということが挙げられます。
これは、Pythonに限ったことではないのですが、プログラミングというのはルーチンワークを捌くのに非常に向いています。

たとえば、あるエクセルシートから別のエクセルシートにお客様の名前をコピペしなければならないという作業があったとしましょう。
この作業は、想像してもらうとおわかりかと思いますが、とんでもなく時間がかかる作業です。

これが100件や200件ならなんとかなりますが、数万件におよんでいると、確実に1日で終わらないくらいの作業になるでしょう。
場合によっては1週間くらいかかってもおかしくありません。

ところが、この大変な作業をせず、Pythonでプログラムを書いてしまえば、ものの数秒で完了してしまいます。
プログラムを書く時間はもちろんかかりますが、先の見えないルーチンワークをこなすよりは有意義なものですし、一度書いたプログラムはいつでも、何度でも利用できます。

こうした業務効率化ツールを自作して、たくさん持っていれば、あなたの仕事は劇的に効率化されることは疑いようがないでしょう。

Webクローラ

Pythonで作れるもののひとつに、Webクローラというものがあります。
Webクローラとは自動的にWeb上の情報を収集するプログラムのことで、有名なものにGoogleのクローラがあります。

Googleはこうしたプログラムを利用して、自動的に全世界のWebサイトの情報を収集し、そうして集めた情報をまとめて検索エンジンとして世の中に提供しているわけです。

つまり、クローラを使うと、膨大なデータを自動的に収集することができるわけですね。
手作業でやると数ヶ月かかるような大変な作業でも、クローラを作ってしまえば、文句も言わず24時間ぶっ通しでデータを収集しつづけてくれます。

そして、Pythonはこうしたクローラの開発にも向いているわけです。
PythonにはBeautifulSoupやSeleniumといったライブラリが存在し、これらのライブラリはWebサイトの情報を抽出するための機能がとても充実しているのです。

Web上の情報を収集するということは、つまりHTMLから適切なデータをどれだけ正確に抽出できるかというところにかかっています。
そのための機能が充実したライブラリがPythonにはいくつもある。

このことを踏まえると、クローラを開発するときにPythonがベストチョイスのひとつであることは間違いありません。

AI・画像認識

Pythonでできること、というよりも、Pythonが最も得意とするのはこのAIや画像認識の分野でしょう。
その理由は明確で、PythonにはAIや画像認識用のフレームワーク・ライブラリが驚くほど充実しているからです。

近年、Pythonというプログラミング言語の人気は急上昇しているのですが、その背景にあるのは間違いなくAIブームだと言えます。
それほど、PythonはAIや画像認識に強いのです。

たとえば画像認識で有名なライブラリにOpenCVというものがあります。
このライブラリを使えば、簡単に人の顔や物体を認識させることが可能で、Pythonさえ扱うことができればAIの専門家でなくとも、そうしたことができるのです。

また、近年のAIといえばディープラーニングやニューラルネットワークというキーワードをよく耳にしますよね。
Pythonはこうした分野にも強く、例えばKerasという機械学習フレームワークを使えば、驚くほど簡単に畳み込みニューラルネットワークのモデルを作ることができます。

ただし、こうしたAIの開発はプログラミングの知識よりも、何度も実験を繰り返すということのほうが重要で、数値をいじっては結果を確かめるという作業の繰り返しでAIの制度を高めていくというイメージです。

さらに、AIの開発にはそれなりのスペックのパソコンが必要で、ハイエンドのグラフィックカードを搭載したパソコンでなければ恐ろしいくらいの時間がかかってしまいます。

ですので、AIや画像認識をしてみたいのであれば、Pythonを選ぶのは当たり前のこととしても、ハードウェアにかかる資金や、根気よく続けるだけの情熱といったものがあるかどうか、ということが重要といえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事を読むだけでも、とにかくPythonはいろいろなことができると分かっていただけたかと思います。

もちろん、Pythonだけではできないことも多いのですが、それでもこれだけ多くの用途があるので、Pythonを覚えておけば色々な分野に挑戦することができるようになります。

そうした意味でも、最初に覚えるプログラミング言語はPythonにしてみてはいかがでしょうか。

それでは、今回はこのあたりで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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